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コラム

仕事を守るのは誰か?

 北京五輪の余韻に浸ったのも束の間、或るロシア人の歪んだ思考により一方的に開始された惨劇で罪のない人々が命を脅かされ、周辺国に身を寄せる映像を目にしては胸を痛める日々が続いている。一方でゼレンスキー大統領以下、決死の覚悟で祖国を守ろらんとするウクライナ国民の姿に、平穏な国で暮らす日々の尊さを思わずにはいられない。

 あらゆる批判は承知の上で、この話を我々の身近な所に置き換えて考えてみた。すると「我々が安心して仕事をする上でまずもって不可欠なのは、このハイタク業界自体が守られ、存続し続けること」と言い表すことができると同時に、「それを担う役割として労働組合の存在意義を見出すことができるのではないか?」との思いに至った。

 さて、中盤戦を迎えた2022春闘、交渉団には現場の奮闘に報いる回答をしっかり勝ち取ってもらいたい。しかし、平穏が当たり前ではなくなった今、大切なのは一人ひとりが自らの業界、自らの仕事を守る意識を持って仕事に取り組むことではないだろうか?一人でも多くの組合員にとって今春闘がその恰好の機会になればと思う。

(N.K)